選手権埼玉県予選 決勝トーナメント
2010.10.31 本庄第一高校(1-0) ☆ 西武台第二グランド(人工芝)
県予選決勝トーナメント。(16チーム)いよいよ負ければ引退となる一発勝負。
西武台は本庄第一に勝つと、準々決勝で市立浦和>準決勝で武南>決勝で正智深谷or浦和東or埼玉栄と対戦する事となった。いずれも楽に勝てる相手ではない。この県予選で優勝すれば、まさに真の埼玉県の王者といえるだろう。全国選手権で優勝するという目標達成の為に、避けては通れぬ「いばらの道」である。
本庄第一とは、この年は2回公式戦で対戦している。新人戦中央リーグでは7-1、関東大会予選では2-0で勝っている。しかし、引退試合となる可能性が高いこの試合には、今まで以上の強い気持ちでぶつかってくる事が予想された。もともと、GKの門井誠也を筆頭に技術が高い選手も多く、体の当りも激しいチーム。春先の試合では我慢強さが足りずに、ずるずると大量失点する悪い癖が有ったが、その点をどう克服しているのか?いずれにせよ、西武台にとっては気を抜けない相手である。
西武台の先発メンバー GK小澤、RSB恩田、CB町山&山崎、LSB大迫、ボランチ松本&末松、RMF中村、LMF阿部、FW佐々木&清水。久々の復帰組が先発。先週のTM(流経柏)と同じメンバー。
西武台としては清水慎太郎をいかに復活させるか?が、大きな課題。今後の試合を見据え、そのテストケースとなったように思う。シンプルに清水にボールをあずけ、彼のやりたいようにやらせていたのではないか?まだまだ本調子でないため、相手のDF2.3人に囲まれボールを失う場面や、強引にシュートするが枠を外す場面が多かった。その為、観戦者からみれば、縦へのボール、ロングボールが目立ち、清水に預ける場面が多く、同じ攻撃パターンを繰り返すのみで創意工夫が見られず物足りなさを感じた人が多かったかもしれない。
清水は前週の流経柏とのTMよりも運動量が増え、キレがあった。80%の回復具合ではないか。彼一人で10本近くシュートをうっていたが、これからどんどん良くなって行くと思う。清水の特徴であるアシストのうまさが出てくるようになれば(アシストする余裕がでてくれば)佐々木を初めとする他の選手のゴールも増えて行く。
戦前の予想としては、本庄第一の戦略はディフェンスを固めてカウンター狙い、またはPK狙いではないか?と思っていたが、まさにその通りとなった。
中盤の攻防が激しいが西武台優勢ですすむ。シュートまで行くのだが、相手GKがその実力をいかんなく発揮し、ファインセーブを連発。ファールが少なく、カード無しの引き締まった好ゲームとなった。前半0-0、後半も15分まで無得点。末松光がビッグチャンスのボレーを浮かせて外す場面では、3年前の同じようにビッグチャンスを外して破れた試合(大宮東との準々決勝)が脳裏に浮かんだ。最悪のパターンとしてこのまま無得点のままPK戦に突入すれば、相手GKの出来の良さから、「引退」の二文字も頭に浮かぶ。
そうした緊張が続く中、後半17分、CB山崎がタックルで奪い取ったボールがFW佐々木につながり、左サイドへドリブル。コーナー近くで相手をかわして左足で低い弾道でセンタリング。ゴール中央で相手DFを引き連れたFW清水慎太郎が、そのボールめがけダイビングヘッド!でGOAL!! 勇気あるすばらしいプレーであった。
ついに均衡がやぶられた。失点した本庄第一はカウンター狙いの戦術を変更せざるをなくなり、前掛かりとなって行かざるを得ない。その為、逆にボールを失うとピンチとなるケースが多くなった。しかし、この試合の本庄第一は我慢強くあきらめなかった。GK門井を中心に必死で守り追加点を許さない。途中交代して入った西武台のMF岡田、FW田所がそれぞれGKと1対1となったがファインセーブで追加点ならず。西武台としては追加点で楽になりたいところだが、逆にカウンターで同点にされる恐怖も感じ、最後まで気の抜けない試合となった。
試合はそのまま1-0で終了。苦しい試合であったが、勝ち上がることが出来た。
試合後、本庄第一の選手たちの表情からは「やりきったという清々しさ」を感じた。負けはしたが、充足感もあったのだろう。良い形で高校サッカーを終える事ができたようだ。
西武台は本庄第一のメンバーの思いを受け継ぎ戦って行かなければならない。次週はいよいよ準々決勝。県北熊谷の地での市立浦和戦。早くも天王山である。
後半(25分頃)に交代出場したメンバーは、FW田所(佐々木)、RMF岡田(中村)
動画へリンクします:選手権4本庄第一.mpg
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