2011年11月10日木曜日

2010.11.14 選手権埼玉県予選 準決勝 武南高校

選手権埼玉県予選 準決勝
2010.11.14 武南高校(3-2) ☆ NACK5スタジアム
(天然芝)
 県予選決勝トーナメント準決勝。28期生は武南とは公式戦では初対戦。U16では2度対戦しており、1勝1分。武南はプリンスリーグ関東一部で大苦戦(1分10敗)ではあったが、夏のインハイ県予選では3位となり、照準を選手権に合わせ選手を入れ替えながらチーム力が相当アップしているらしい。各種のブログや掲示板などからは、近年にないほど今年の武南への期待の高さを感じる。また、西武台は選手権予選では武南に一度も勝った事がないらしい。決勝トーナメントで武南に対戦した時は、武南大山監督の戦術にはまり、ことごとく敗れ去っている。西武台と守屋監督にとっては、県内で超えなければならない大きな壁である。

 西武台の先発メンバーは前戦の市立浦和戦と全く同じになった。GK小澤、RSB澤本、CB町山&山崎、LSB大迫、ボランチ松本&末松、RMF中村、LMF阿部、FW佐々木&清水の4-4-2。
 会場のNACK5スタジアムは準決勝、しかも西武台対武南という強豪同士の久々の対決ということもあり5,000人の大入り。メイン/バックスタンドはほぼ満席となった。事前の予想としては、西武台の中盤のプレスが効いて武南に先手先手でボールを支配できれば勝てる、場合によってはワンサイドゲームにもなりうると思っていた。しかし、武南は個人技とタフさを予想以上に備えており一進一退の緊張した激戦、好ゲームとなった。

 試合は、開始早々から西武台の中盤のプレスが圧倒し、1分にあわやOGかというような相手DFのクリアで得たCKをニアにいたCB山崎がヘッドで後ろへそらしてゴール。いきなりゲームが動く。
 5分、西武台の左サイドが前掛かりになった所を武南10番河野の個人技でかわされ強烈なミドルシュートで同点。前評判通りの選手であった。その後は無得点のまま前半終了。

 西武台は中盤でのプレスが効き、左MF阿部、右MF中村からのドリブルやクロス、サイドバックのDF澤本やDF大迫の上がりも見られ、前戦までの縦へのロングボールだけではない繋ぐサッカーも出来ていた。しかし、武南もボールキープに長け、西武台の選手がなかなか奪えない場面が目立った。相手に一発で取りに行こうとすると、武南の選手はフェイントをかけてかわしてパスを繋ぐ。Jユースチームと同じようなテクニカルなプレーが多いチーム。このような相手には余裕を持たせない、常にプレスをかけ続けることが一番の守備となる。FW清水慎太郎への武南のマークは徹底されていた。特に4番の長身の2年生DF田代が体を張ってがんばっていた。
 
 後半は西武台としては落ち着いた展開で、武南に対して支配できる時間が増えた。相手のボールを取りに行く時も一発で飛び込まなくなったため、ワンタッチでの連続したパスを許す事も減ってきた。50分、CB山崎のヘッドのクリアボールが相手選手のヘッドミスでFW清水の前に落ち、相手DF2人を引き連れ、最後は4番2年生DF田代のファウルを振りほどきながらFW清水がGK左に冷静に流し込み西武台が2点目。FW清水の強さが発揮された場面であった。
 この1点で試合が動き出す。武南の反撃が続く。両サイドを使った攻撃の連続で西武台としては我慢の時間であったが、CKからのこぼれをつめられてしまい同点に。ややもったいない失点であった。
 先制し、すぐに追いつかれ、またも先に追加点を奪いながらも追いつかれる。リードする時間が少ないために、応援している側にとってはハラハラであるが、ゲーム内容としては双方の高い技術のパスワークやロングボール、ドリブル等の応酬のなか得点が入るため大変面白いと感じた。見ていて楽しい試合となった。
 試合は同点のまま65分頃、足の止まり始めた武南の右SBのところで粘ったMF阿部が相手クリアミスに乗じてセンターへマイナスのパス、ダイレクトでFW清水がシュートしたボールが相手GKの股間をすり抜け3点目。決勝のゴールとなった。その後は双方チャンスがあったが懸命なディフェンスで得点に至らず。西武台が3-2で逃げ切った。

 武南はうまかったと思う。体力もあり足がつった選手はほとんどいなかった。勝ちたいという気持ちも感じた。

 この試合もFW清水の強さ、決定力、すごさが目立った結果となった。しかし、FW清水以外のメンバーも誰一人として武南の選手に負けていなかったから勝てたと思う。この県予選、これまではFW清水へボールを集める為に、縦へ蹴る形が目立っていたが、この試合は丁寧なトラップや連動した動きでのパス交換、サイドチェンジのロングボール、サイドバックからのゴール前へのクロスなど精度の高いプレーが随所に見られた。この年の西武台はつなげないという見方をしていた人は、考えを改めたのではないだろうか。西武台の選手も武南と同じようにうまさも持っている。ただ、うまいだけでは勝てないという危機感がこの年のチーム作りのベースにある。強さを身につける為に、この1年間努力してきたのである。武南戦での勝利は、指導者としての守屋監督の勝利である。
後半の交代選手は、岡田(中村)、恩田(大迫)、菊野(末松)。

 前週の市立浦和高戦と違い、武南に負けるイメージは湧かなかった。24期生が準決勝で武南に負けて以来、公式戦では負けていなかったからだと思う。

 やっと、選手権予選で武南に勝つことが出来、代表まであと1勝となった。過去の全国での実績では武南には及ばないが、インターハイ3位となったこの年に武南に勝った事で、守屋監督は一皮むけたと思う。

次戦は次週11月21日 正智深谷高との決勝。埼玉スタジアム2002 14:05 KICK OFFである。

動画へリンクします:選手権6武南


テレ玉はこちら:西武台 VS 武南  第89回全国高校サッカー 埼玉準決勝 (2010年11月).avi





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