2011年11月18日金曜日

2010.11.21 選手権埼玉県予選 決勝 正智深谷高校

選手権埼玉県予選 決勝

2010.11.21 正智深谷高校(6-0) ☆ 埼玉スタジア
ム2002(天然芝)

 県予選決勝トーナメント決勝。正智深谷高とは公式戦で2回対戦。新人戦では2-1、関東大会予選決勝では延長で5-3と共に勝っている。

 正智深谷高はそれ程にはプレスは強くないが、10番FW目黒や7番2年生MF内田、9番2年生FWの野中などが少ないタッチでチャンスを作ることが出来、攻撃力が高い。またディフェンスもDF福田を中心に安定。決勝までは、浦和東高との延長戦での勝利以外は順調で、予想通り勝ち上がってきた強敵である。県北地方の期待を一心に集めているようで、掲示板などでの戦前の予想では正智深谷高有利との声が多かった。

 西武台の先発メンバーは前戦の武南高戦と全く同じになった。GK小澤、RSB澤本、CB町山&山崎、LSB大迫、ボランチ松本&末松、RMF中村、LMF阿部、FW佐々木&清水の4-4-2。
会場の埼玉スタジアム2002は決勝ということで6,500人のほどの入り。西武台は全校応援、またOBや家族関係で大変にぎやかである。26、27期のOBの姿が多く見受けられた。

 事前の予想としては、正智深谷高は武南高や市立浦和高と比較して中盤のプレスが強くない為、西武台のボール支配率が高くなるのではないか、その支配できている時間にいかに得点を積み重ねる事ができるか、逆に得点が少ない場合は、終盤にカウンターで逆転される恐れもおおいにあると見ていた。また、相手10番目黒をいかに押さえるかが試合を決める重要なポイントで、好き勝手にやらせない、ファウルを取られないことを警戒する必要がある。

 しかし、試合は全く予想と異なる展開となった。正智深谷高は予想以上にプレスをかけ、テクニカルなパス交換やサイド攻撃で立ち上がりの20分間を完全に制圧した。10番目黒へ西武台の選手が二人、三人で囲んでボールを取ろうとするがなかなか奪えない。個々の玉際の強さも西武台を上回る場面が多く、決定的なピンチが3回ほどあった。しかし、西武台もGK小澤を筆頭に全員の守備でなんとかしのぎ、相手のミスもありなんとか得点を許さない。攻撃では、FW清水が相手DF福田とのヘディングでせり勝てず攻撃の起点とならない。このままのペースだとまずいなと正直思った。ハーフタイムでいかに修正するか、前半はなんとか無失点でしのぎ後半に期待するしかない。
 試合は20分以降は、やや落ち着いた展開となる。お互いのスタイルがわかってきた事と、正智深谷高がやや攻め疲れてきたようだ。FW清水が相手DF福田との競り合いに勝ち始め、徐々に西武台の攻撃にリズムが出始める。

 35分頃試合が動く。MF中村のロビングパスがFW佐々木雅人と相手GKの間に落ち、佐々木がGKをかわして無人のゴールへ蹴り込み先制ゴール。相手GKの判断ミスをついた、佐々木らしい得点であった。相手GKは関東大会の時とは異なる2年生で、GKとしては上背がない。正智深谷高のウイークポイントではないかと事前に予想していた。1-0のままハーフタイムを迎えるが応援席には緊張感が持続している。

 後半開始早々、正智深谷高が息を吹き返したかのような攻撃で再び西武台を襲うが、これもなんとかしのぐと西武台のパスが縦に横につながり始め、MF阿部、MF中村の両サイドの動きが目立ち始める。46分阿部のスピードを生かすボランチ末松のパスで阿部がマイナスのクロスをゴール前に送ると、待ち受けていた佐々木がうまくあわせゴール。2点目。52分同様な展開でLSB大迫のロビング気味のクロスを佐々木が絶妙なトラップで一気に左足のシュートまで持込みゴール。佐々木ハットトリックの大活躍。試合は後半開始10分ちょっとで、いきなり3-0と西武台の押せ押せとなる。正智深谷高は気持ちがやや折れ始めた感じで、その後は圧倒的に西武台のペースとなった。RSB澤本がどんどんオーバーラップを見せ、60分、75分とゴールを決める。72分には末松が清水のアシストでゴール。最終的には6-0の大差で西武台が圧勝、優勝となった。

 前半の正智深谷高ペースの展開からは想像できないワンサイドゲームとなった。西武台の強さが際立った結果となった。
本庄第一高、市立浦和高、武南高、正智深谷高に打ち勝っての優勝は、文句無しの埼玉代表であると言えるだろう。
後半の交代選手は、岡本(佐々木)、斉藤(小澤)、野上(大迫)、菊野(町山)、小林尚剛(中村)。交代選手も含め全員3年生で戦った決勝戦であった


動画へリンクします:選手権7正智深谷


テレ玉はこちら:西武台 VS 正智深谷  第89回全国高校サッカー 埼玉決勝 (2010年11月).avi




2011年11月10日木曜日

2010.11.14 選手権埼玉県予選 準決勝 武南高校

選手権埼玉県予選 準決勝
2010.11.14 武南高校(3-2) ☆ NACK5スタジアム
(天然芝)
 県予選決勝トーナメント準決勝。28期生は武南とは公式戦では初対戦。U16では2度対戦しており、1勝1分。武南はプリンスリーグ関東一部で大苦戦(1分10敗)ではあったが、夏のインハイ県予選では3位となり、照準を選手権に合わせ選手を入れ替えながらチーム力が相当アップしているらしい。各種のブログや掲示板などからは、近年にないほど今年の武南への期待の高さを感じる。また、西武台は選手権予選では武南に一度も勝った事がないらしい。決勝トーナメントで武南に対戦した時は、武南大山監督の戦術にはまり、ことごとく敗れ去っている。西武台と守屋監督にとっては、県内で超えなければならない大きな壁である。

 西武台の先発メンバーは前戦の市立浦和戦と全く同じになった。GK小澤、RSB澤本、CB町山&山崎、LSB大迫、ボランチ松本&末松、RMF中村、LMF阿部、FW佐々木&清水の4-4-2。
 会場のNACK5スタジアムは準決勝、しかも西武台対武南という強豪同士の久々の対決ということもあり5,000人の大入り。メイン/バックスタンドはほぼ満席となった。事前の予想としては、西武台の中盤のプレスが効いて武南に先手先手でボールを支配できれば勝てる、場合によってはワンサイドゲームにもなりうると思っていた。しかし、武南は個人技とタフさを予想以上に備えており一進一退の緊張した激戦、好ゲームとなった。

 試合は、開始早々から西武台の中盤のプレスが圧倒し、1分にあわやOGかというような相手DFのクリアで得たCKをニアにいたCB山崎がヘッドで後ろへそらしてゴール。いきなりゲームが動く。
 5分、西武台の左サイドが前掛かりになった所を武南10番河野の個人技でかわされ強烈なミドルシュートで同点。前評判通りの選手であった。その後は無得点のまま前半終了。

 西武台は中盤でのプレスが効き、左MF阿部、右MF中村からのドリブルやクロス、サイドバックのDF澤本やDF大迫の上がりも見られ、前戦までの縦へのロングボールだけではない繋ぐサッカーも出来ていた。しかし、武南もボールキープに長け、西武台の選手がなかなか奪えない場面が目立った。相手に一発で取りに行こうとすると、武南の選手はフェイントをかけてかわしてパスを繋ぐ。Jユースチームと同じようなテクニカルなプレーが多いチーム。このような相手には余裕を持たせない、常にプレスをかけ続けることが一番の守備となる。FW清水慎太郎への武南のマークは徹底されていた。特に4番の長身の2年生DF田代が体を張ってがんばっていた。
 
 後半は西武台としては落ち着いた展開で、武南に対して支配できる時間が増えた。相手のボールを取りに行く時も一発で飛び込まなくなったため、ワンタッチでの連続したパスを許す事も減ってきた。50分、CB山崎のヘッドのクリアボールが相手選手のヘッドミスでFW清水の前に落ち、相手DF2人を引き連れ、最後は4番2年生DF田代のファウルを振りほどきながらFW清水がGK左に冷静に流し込み西武台が2点目。FW清水の強さが発揮された場面であった。
 この1点で試合が動き出す。武南の反撃が続く。両サイドを使った攻撃の連続で西武台としては我慢の時間であったが、CKからのこぼれをつめられてしまい同点に。ややもったいない失点であった。
 先制し、すぐに追いつかれ、またも先に追加点を奪いながらも追いつかれる。リードする時間が少ないために、応援している側にとってはハラハラであるが、ゲーム内容としては双方の高い技術のパスワークやロングボール、ドリブル等の応酬のなか得点が入るため大変面白いと感じた。見ていて楽しい試合となった。
 試合は同点のまま65分頃、足の止まり始めた武南の右SBのところで粘ったMF阿部が相手クリアミスに乗じてセンターへマイナスのパス、ダイレクトでFW清水がシュートしたボールが相手GKの股間をすり抜け3点目。決勝のゴールとなった。その後は双方チャンスがあったが懸命なディフェンスで得点に至らず。西武台が3-2で逃げ切った。

 武南はうまかったと思う。体力もあり足がつった選手はほとんどいなかった。勝ちたいという気持ちも感じた。

 この試合もFW清水の強さ、決定力、すごさが目立った結果となった。しかし、FW清水以外のメンバーも誰一人として武南の選手に負けていなかったから勝てたと思う。この県予選、これまではFW清水へボールを集める為に、縦へ蹴る形が目立っていたが、この試合は丁寧なトラップや連動した動きでのパス交換、サイドチェンジのロングボール、サイドバックからのゴール前へのクロスなど精度の高いプレーが随所に見られた。この年の西武台はつなげないという見方をしていた人は、考えを改めたのではないだろうか。西武台の選手も武南と同じようにうまさも持っている。ただ、うまいだけでは勝てないという危機感がこの年のチーム作りのベースにある。強さを身につける為に、この1年間努力してきたのである。武南戦での勝利は、指導者としての守屋監督の勝利である。
後半の交代選手は、岡田(中村)、恩田(大迫)、菊野(末松)。

 前週の市立浦和高戦と違い、武南に負けるイメージは湧かなかった。24期生が準決勝で武南に負けて以来、公式戦では負けていなかったからだと思う。

 やっと、選手権予選で武南に勝つことが出来、代表まであと1勝となった。過去の全国での実績では武南には及ばないが、インターハイ3位となったこの年に武南に勝った事で、守屋監督は一皮むけたと思う。

次戦は次週11月21日 正智深谷高との決勝。埼玉スタジアム2002 14:05 KICK OFFである。

動画へリンクします:選手権6武南


テレ玉はこちら:西武台 VS 武南  第89回全国高校サッカー 埼玉準決勝 (2010年11月).avi





2011年11月1日火曜日

2010.11.06 選手権埼玉県予選 準々決勝 市立浦和高校

選手権埼玉県予選 準々決勝
2010.11.06 さいたま市立浦和高校(2-1) ☆ 熊谷文化スポーツ公園陸上競技場(天然芝)

県予選決勝トーナメント準々決勝。市立浦和高とは公式戦3戦目。新人戦とインハイ予選それぞれの決勝で対戦し1勝1敗。お互いの戦術、特徴はよくわかっている。市立浦和高の特徴は、組織的な守備とサイドを使った攻撃。進学校ということもあり戦術理解度が高い。個人的なスキルは特段に突出している訳ではないが、粘り強い守備には定評が有る。キープレイヤーは10番のボランチ森崇。彼をどう押さえるかが試合の鍵となる。
西武台の先発メンバーはインハイ時と全く同じになった。GK小澤、RSB澤本、CB町山&山崎、LSB大迫、ボランチ松本&末松、RMF中村、LMF阿部、FW佐々木&清水の4-4-2。

試合は、開始5分に市立浦和高が先制。SB澤本をかわして上げたセンタリングをCB山崎がジャンプするが届かず、SB大迫の背中から飛び込んできた市立浦和の13番2年生杉山がダイビングヘッドでゴール。市立浦和の得点はいつもながらあり得ないようなゴールが決まってしまう。その前にDFとGK小澤が譲り合って危ない場面等があり、西武台は試合への入り方が悪かった。会場が今大会で初のホーム以外の場所であり、またブラスバンドの音で声が聞こえない中、落ち着く前にやられてしまった感じ。スタジアムで音が反響するため、選手同士の会話も出来ない時もあったらしい。

それでも、西武台には慌てる気配はない。徐々に攻撃にリズムが出来始めた前半30分に、左MF阿部のクロスにFW清水がヘッドで合わせ同点ゴール。同35分頃に、右サイドでSB澤本とのパスで相手を崩したMF中村が上げたセンタリングをファーサイドにいたFW清水が、またもヘッドでゴール。前半のうちに逆転した。どちらも清水独特の高い打点でのヘッドであった。

後半も、清水にボールが渡るたびにチャンスが生まれ、ゴールの可能性を感じた。市立浦和は、FK(森)をDFとGKの間に入れチャンスを作ってはいたが、総じて脅威とはならず。やや単調な攻めとなりいつもの嫌らしさは感じられなかった。市立浦和としては、思いがけずに早い時間で1点先取したことで、逆に受け身になってしまい当初描いていた攻撃的なゲームプランへ選手達が修正できなかったのではないか? 同点にされすぐに逆転され、相手(西武台)に勢いを与えてしまったと思う。

後半は、清水のチャンスメイクや阿部の決定的なチャンスがあったが得点ならず。結局2-1で西武台が勝利。内容的には3-1か4-1のスコアであってもおかしくなかった。清水の突出した身体能力が多いに目立ったゲームであった。尚、終盤は双方で足がつってしまう選手が続出。運動量以外にいつもとは違うプレッシャーがあったのだろう。西武台の後半の交代選手は、平野(中村)、田所(佐々木)、恩田(大迫)、岡本達郎(末松)、菊野(町山)。浦和JrY出身の岡本(篠田)達郎の出場は喜ばしい。スポーツヘルニアに悩まされながらも彼はサッカーをあきらめなかった。まだまだ出場のチャンスがくるだろう。

次戦は次週11月14日 武南との準決勝。NACK5スタジアム 11:35 KICK OFFである。


動画へリンクします:選手権5市立浦和

テレ玉はこちら:第89回全国高校サッカー 埼玉準々決勝 (2010年11月).avi