2012年1月1日日曜日

2010.12.31 第89回全国高校サッカー選手権 一回戦 香川西高校


第89回全国高校サッカー選手権 一回戦

2010.12.31  香川西高校(香川県代表) (3-0) ☆ 埼玉スタジアム2002(天然芝)


高校サッカー選手権一回戦。相手は、香川西。四国のチームであるが、関西地方からの選手が多い。5年連続6回目の出場。選手権の常連であり、過去2回インターハイの王者を一回戦で破っておりジャイアントキラーの異名を持つ。大浦監督は、守屋監督よりも年長で国士舘大学の先輩にあたる。過去高校選抜チームの監督にも抜擢されている名監督。対戦相手の分析と戦術に長けているようだ。 FWの大西を押さえる事、FW近藤(1年)にも要注意。チームとしては高さは不足している。180cm以上はCB 1人だけ。 スコアは3-0(前半0-0、後半3-0)▽得点者【西】佐々木、末松、清水(PK)▽交代【西】平野(中村)岡本(末松)岡田(佐々木)【香】金沢(伊藤)野村(金沢)

予想通り、西武台をかなり研究してきたなという印象の前半となった。ダイレクトパス、素早いプレス、サイドからの繋ぎで主導権を握られていたと思う。 相手の出方がつかめない最初の時間帯が特にピンチが多かった。なんとかしのいで前半終了。後半は、相手にも慣れてきたこともあり、少しずつ西武台がボールを持てる時間が増えてきた。 後半、末松の低い左からのクロスを清水が胸で落とすパスで佐々木の前のスペースに送り、走り込んだ佐々木が速い振りの右足シュートを右サイドネットに突き刺し先制。押し込まれた時間が続いたあとのFKを、左45度から末松がブレ玉無回転で決めて2点目。相手の足が止まった終盤に佐々木がGKに足を引っかけられPK。清水がきっちり決めて3点目。そのまま終了し、1回戦を突破。 押される時間が多かったが、相手のシュート精度が低かったこともあるがチーム全体のディフェンス力と得点の決定力の勝利。FW大西に自由に仕事をさせなかった事も大きな勝因。 ジャイアントキラーの香川西をしっかりと撃破。



サッカーオンラインマガジン 2002 worldcom記事

我慢強く戦った西武台。地元の大声援を受けて初戦突破 (取材・文・写真/中倉一志)
第89回全国高校サッカー選手権大会 1回戦 西武台高校vs.香川西高校


2011年12月31日(金)12:05 埼玉スタジアム2002 観衆:5,300 天候:晴
試合結果/西武台3-0香川西(前0-0、3-0)
得点経過/[西武台]佐々木(44分)、末松(70分)、清水(80分)

 厳かにたたずむ埼玉スタジアム2002の前に長い列ができる。第1試合に登場するのは地元・埼玉県代表の西武台。おらが町の代表チームを応援しようと、大勢の高校サッカーファンが足を運んでいる。西武台は昨夏に行われた沖縄インターハイでベスト4に進出。今大会での活躍に地元サッカーファンも大きな期待を寄せている。フォーメーションは4-4-2。インターハイでは4試合で4得点を挙げ、卒業後は大宮アルディージャ入りが内定している清水慎太郎に注目が集まる。
 
 その西武台に挑むのは、香川県代表として5年連続6度目の全国の舞台を踏む香川西。一昨年は市立船橋、昨年は前橋育英と、ともにインターハイ王者を破ってベスト16入りを果たし、今夏のインターハイでもベスト16に進出するなど、全国レベルで十分に上位を狙える力を持っているチーム。今大会の目標を、まずは全国大会ベスト16の壁を破ることに挙げる。こちらもフォーメーションは4-4-2。エースストライカー・大西晃広を中心に、つなぐサッカーを武器に1回戦に臨む。

 両チームの戦い方は対照的だ。小気味よいリズムでパスをつないで前に出るのは香川西。豊富な運動量を武器に、高い位置からのプレッシングで西武台の自由を奪い、さらにセカンドボールも支配して、全員が連動した動きで西武台のスペースを突く。そして、右サイドから若村浩平と箱崎裕也が積極的に駆け上がってチャンスを広げる。1対1の局面でも西武台を上回る強さを見せ、全国大会ベスト16の力が本物であることを示す。

対する西武台の攻撃の始まりは、清水へ向かってのロングボールから。積極的に前へ出てくる香川西の右サイドの裏にできるスペースを使うことが狙いだった。しかし、香川西の高い位置からのプレスに戸惑い、前線で待ち受ける清水も、香川西・下川智史にタイトにマークされて自由なプレーをさせてもらえない。「やってみて感じたことだが、香川西さんが、あれだけ球際とか、出足が強いとは思っていなかった」と、守屋保監督(西武台)は戸惑いを隠さない。

そして、前半は一方的な香川西のペース。西武台が、香川西のパスワークを封じようとボールに喰らいつくことでできるギャップを効果的について香川西がゴールに迫る。そして、19分、24分に決定機を演出。さらに31分には、近藤義剛が左足で放ったループシュートがクロスバーをたたく。最終的にゴールは生まれなかったが、西武台は守備にばかり追われる展開。香川西のリズミカルなサッカーが目立った前半だった。

しかし、サッカーに判定勝ちは存在しない。最終的に相手よりもゴールを多く奪った方が勝ち名乗りを挙げる。そして、西武台は、まずは守備を修正することで得点チャンスを狙うべく後半をスタートさせた。その意図を守屋監督(西武台)は、次のように話す。

「人やボールに行くのではなく、まずはポジションを埋めようとハーフタイムに指示を出した。まずは攻撃よりも、シュートを打たせない、クロスボールを上げさせない、ワンツーをやらせないようにしなければいけなかった。それでも、守っている時間が長くなっても、決定的な場面を与えなければ、清水、佐々木にボールが入った時に大きなチャンスが来ると予想していた。それが佐々木と清水の持ち味。相手が3枚か4枚でも、1点はどこかで行ってくれるだろうなと思っていた」

 そして後半開始直後の44分、左サイドから上がったアーリークロスを清水が落とし、そのボールを佐々木雅人がゴール右隅に叩き込む。まさに狙い通りの得点シーン。リズムを掴めずにいる中で、自分たちの最大の強みを活かして奪ったゴールだった。

 その後も、パスをつないで前に出る香川西のリズムで試合が続いたが、落ち着きを取り戻した西武台は手堅い守備で、香川西にシュートを打たせない。そして 70分に末松光がFKを直接たたき込んでリードを広げると、終了直前にもPKで加点。苦しみながら3-0で初戦突破を果たした。

 結果として敗れた香川西だが、彼らが西武台を追いつめていたのは、守屋監督(西武台)の言葉からも窺える。
「球際の部分では、インターハイを通して、全国の場でもやれるつもりでいたが、思った以上に香川西さんの1人、1人の個の能力が高かったなと言うのが正直な印象。もう少しやれるんじゃないかな、パスも2本、3本とつなげるんじゃないかなという気持ちでいたのが本音。多分、選手たちもそう思っていたはず」
 最終的には、決定力の差のような形で敗れたが、香川西が自分たちのサッカーを余すことなく発揮していたのは間違いない。

 そして西武台。試合終了後、選手たちは「俺たちらしかったですね。いつもこんな試合ですよね」と、あっけらかんと守屋監督に話したそうだ。そんな選手たちを守屋監督は次のように話す。
「内容が伴わないことも多い彼らなんですけれども、それも自分たちの力と受け止めてプレーしているので、慌てずに、何もできない状況にも踏ん張って、チャンスをものにして結果を出してくれたような感じの試合だった。自分たちのことを分かりながらプレーしてくれたなと感じている」

 自分たちのサッカーのベースは自陣に押し込まれた後の粘り強い守備。後半も押し込まれる場面はあったが、それでも決定的な仕事はさせなかった。そのベースがあってこそ、佐々木、清水の決定力が活きている。そういう意味では、西武台も自分たちのサッカーの特徴を発揮しての1回戦突破だった。

(西武台高校)
GK: 小澤章人
DF: 澤本玲 大迫翔太 町山阿記 山崎健吾
MF: 中村聡一郎(79分/平野泰幹) 松本和樹 末松光(80+1分/岡本達郎) 阿部祐希
FW: 佐々木雅人(80+2分) 清水慎太郎

(香川西高校)
GK: 今林宏憲(77分/退場)
DF: 石谷守 米田昇平 若村浩平 下川智史
MF: 佐々木卓弥 高橋佳汰 箱崎裕也 伊藤星斗(18分/金沢裕平→79分/野村秀樹)
FW: 大西晃広 近藤義剛

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