2011.01.05 立正大淞南高校(島根県代表) (2-2)PK4-5 ★ フクダ電子アリーナ(天然芝)
高校サッカー選手権準々決勝。勝てば、夢の国立。
相手は、昨年の一回戦で勝った立正大淞南高校。
これほど応援していて興奮した試合はない。
相手の速いパス、ドリブルになんとか前半1失点でしのぎ、後半のFW清水の同点ヘッドで息を吹き返し、その後の相手の猛攻をなんとか防いだ後の一瞬の隙をつかれ、スローインからのロングスロー&ボレーシュートを決められてまたもやリードされ、ポストやバー直撃のお互いのシュートが何本もありどちらに幸運の女神が微笑むのか?全くわからない中、後半アディショナルタイム3分終了間際に相手のゴールキックが短くなり西武台ボールに。上がっていたDF町山が左サイドからクロスを上げFW佐々木とFW清水が二人でヘッドでゴール前へ送り、そこに飛び込んだMF末松が奇跡の同点ヘッドを決め、そのまま終了。
奇跡を信じていたことが現実となったあの瞬間、大声で雄叫びを上げてしまった。
PKは時の運。7人目で決着。西武台は3人外し、相手は2人外した。
夢の国立まであと一歩だった。しかし、負けたのではないのだから、あまり悔しさは感じない。
BUDAU28期生の高校サッカーはこの試合で終わった。
涙・涙・涙の卒業となったが、
人生よい事ばかりではないし、望み通りにならない事の方がずっと多い。
人生悪い事も起きるが、悪い事が永遠に続く訳でもない。
様々な経験をすることでその人の人生が豊かになって行くのだ。
高校サッカーの3年間を、次のステップにしっかりと生かしてほしい。
おつかれさま、そして ありがとう。
また新しい歩みが始まる。
卒業して行く28期生も、残った29期生や30期生にも。
BUDAI28からBUDAI28&2930へ
エルゴラ
「楽なゲームはない。PK戦までやるつもりでいけ」。西武台・守屋保監督の予感は的中した。
開始10分、西武台は立正大淞南のファーストシュートで失点する。中央から崩され、最後はMF加藤大樹に決められた。今大会3試合連続で先制してきた西武台は、淞南の激しいプレスとコンパクトな陣形にハマり、「厳しい状況に」(同監督)。これまでのように狙いを定めてロングボールを蹴れず、大宮内定FW清水慎太郎も前を向いてボールをもらえない。さらに「フクアリは初めて。みんな慣れるまで緊張していた」(MF末松光)。ボールの奪われ方がまずく、淞南のショートカウンターが炸裂。失点後、前半だけで計3回もポストとバーを強襲していた。
迎えたハーフタイム、「いままでもこんな展開はあっただろう。それを思い出せ」と守屋監督。この言葉で冷静さを取り戻した選手たちは、42分のチャンスを生かす。ようやく攻撃参加できた右SB澤本玲のクロスに合わせたのは清水。打点の高いヘディングでこじ開けて1-1の同点に。エースの一撃で西武台は一気にペースを取り戻したかに見えたが、59分にスローインからFW池田拓生に一瞬のスキを突かれ、1-2。すると淞南の南健司監督が動く。68分に投入されたMF福島孝男がトップ下に入る。「“守り切れ”というメッセージ」(南監督)だった。70 分以降はコーナー付近で時間稼ぎを開始。CKを獲得しても、自陣には8人残してブロックを形成した。マイボールにしても淞南の分厚い守備を崩せない西武台だったが、相手のミスからボールを奪った83分。DF町山阿記のクロスをFW佐々木雅人が中に折り返すと、中に待っていたのは末松。ヘディングでゴールネットを揺らし2-2に追い付くと、主審は笛を吹いてPK戦を告げた。
迎えたPK戦。5人を蹴り終え4-4で迎えた6人目は両者とも決められず、7人目。西武台は途中交代のMF岡田和貴が外し、淞南はDF竹内洸が決めて、決着。淞南が島根県勢初の4強に進出した。(本紙・古屋 恭平)
◆守屋保監督(西武台)
子供たちにはここまでやってくれたことに感謝する。本当に負けないという気持ちをどれだけ持ちながらサッカーをやっていくかということで、日常生活の中でも負けないという気持ちを作るためにはどうしてもつらいことが多くなる。それを耐え抜いてやってきて、県の予選でも、インターハイ予選とかでもロスタイムとかで追いついて逆転したりだとか、そういうところがいくつかこのチームにはあったので、最後の最後まで今日も諦めないで負けないというのを前面に出そうと。簡単に勝てると思っていると本当に苦しむよと。今日はPK戦までやるつもりで戦うと。簡単に勝てるという気持ちを持たずに最後の最後までやろうと。そういうようなステーションになって、最後のところでPK戦ももっと強い、負けないという気持ちを持って臨むこともできたのかな、と思っている。正直なところ。勝負どころだから、そこまでもっともっとやれたのかなと。
でも、それを経験できた彼ら、自分も彼らに成長させてもらった。彼らの中には大学でサッカーやったり、プロでサッカーやったり、中には社長になりたい、歌手になりたいという子もいる。いろんな人生の中で、良いイメージだけを作って、欲だけを持つんじゃなくて、辛抱したり、我慢したり、いろんな世の中だから、それを乗り越えた時に本当の喜びがあると。ベスト8まで駆け上がってきた中で、少しでも経験として残っていると思うので、そこだけは胸を張って、今日はここで終わりということ、プラス、本当のスタートがこれからの人生の中にあるんだということを理解してもらえたんじゃないかなと思う。
(この大会に入って初めて追う立場になったが)追う立場になったのは、逆に厳しい状況に入ったなとは感じたけど、1点差だったらどうにか追いつくんじゃないかと気持ちでいたし、2点目取られた時もどこかでもうワンチャンス、ツーチャンス作ることはできるんじゃないかと進めてきた。失点はやはりつらかった。動揺がなかったってことはない。バタバタしているな、慌ててボールを蹴っているな、というのは感じたし。
サッカーの全国高校選手権優秀選手
今大会最多の8点を挙げたFW樋口寛規(滝川二)ら37人が選ばれた。優秀選手で編成された日本高校選抜は選考合宿を経て今春、欧州に遠征する予定。
優秀選手は次の通り。
GK 櫛引政敏(青森山田)小沢章人(西武台)緒方大樹(流通経大柏)樫根啓人(関大一)▽DF 増田繁人(流通経大柏)大畠一馬(駒大高)金大貴(静岡学園)山本大地(久御山)土師直大(滝川二)中村謙吾、中村宏輝(以上立正大淞南)藤本貴士(大津)▽MF 柴崎岳(青森山田)平野伊吹(尚志)小島秀仁(前橋育英)進藤誠司、吉田真紀人(以上流通経大柏)宮本龍、白崎凌兵(以上山梨学院大付)星野有亮(静岡学園)二上浩一、足立拓真(以上久御山)谷口智紀、香川勇気(以上滝川二)加藤大樹、小田悠太(以上立正大淞南)車屋紳太郎(大津)山田貴文(日章学園)▽FW 小牟田洋佑(前橋育英)佐々木雅人、清水慎太郎(以上西武台)加部未蘭(山梨学院大付)宮市亮(中京大中京)坂本樹是、安川集治(以上久御山)樋口、浜口孝太(以上滝川二)